原状回復 負担割合計算 English

退去時のハウスクリーニング代

退去費用の明細には、ほぼ必ず「ハウスクリーニング」や「ルームクリーニング」が入っています。ガイドラインでは、借主が普段の掃除をしていたかどうかで負担が分かれます。

通常の清掃をしていれば貸主負担

別表1は「全体のハウスクリーニング(専門業者による)」を、次の入居者を確保するための区分に入れています。

「賃借人が通常の清掃(具体的には、ゴミの撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回り、換気扇、レンジ回りの油汚れの除去等)を実施している場合は次の入居者確保のためのものであり、賃貸人負担とすることが妥当と考えられる。」ガイドライン p.21

同じ表で、喫煙等による臭いが付いていない場合のエアコンの内部洗浄と、台所・トイレの消毒も貸主負担とされています(ガイドライン p.21)。

借主の負担になる汚れ

出典は別表1(ガイドライン p.21)と別表3(ガイドライン p.25)です。

「クリーニングについて、経過年数は考慮しない。賃借人負担となるのは、通常の清掃を実施していない場合で、部位もしくは住戸全体の清掃費用相当分を全額賃借人負担とする。」ガイドライン p.24

クリーニング特約の判例(Q16)

Q16は、クリーニング特約は「①賃借人が負担すべき内容・範囲が示されているか、②本来賃借人負担とならない通常損耗分についても負担させるという趣旨及び負担することになる通常損耗の具体的範囲が明記されているか或いは口頭で説明されているか、③費用として妥当か等の点から有効・無効が判断されます」としています(ガイドライン p.45)。

判例内容
東京地裁 平成21年9月18日汚損の有無・程度を問わず専門業者の清掃費用2万5000円(消費税別)を負担する特約が明確に合意されているとして有効。月額賃料の半額以下で、専門業者の清掃費用として相応などの理由で消費者契約法10条にも違反しないとした
東京地裁 平成21年1月16日「ルームクリーニングに要する費用は賃借人が負担する」旨の特約は一般的な原状回復義務を定めたもので、通常損耗等まで借主に負担させる特約とは言えないとした

出典はガイドライン p.45です。特約の一般的な要件は原状回復の特約にまとめています。

計算例

参考資料のケーススタディでは、退去時にしっかり掃除をしていた全室のクリーニング50,000円について、有効な特約がなければ借主の負担は0円としています(参考資料 p.22~23)。通常の清掃をしていなかった場合は、計算機で「クリーニング(通常の清掃をしていない場合)」を選ぶと、経過年数を考えず100%で計算します。

よくある質問

「通常の清掃」とはどこまでですか?

ガイドラインは、ゴミの撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回り、換気扇、レンジ回りの油汚れの除去等を挙げています(別表1、p.21)。

クリーニング特約があれば必ず払いますか?

Q16は、負担する内容・範囲が示されているか、通常損耗分も負担させる趣旨と範囲が明記または口頭で説明されているか、費用として妥当か等で有効・無効が判断されるとしています。有効とされた判例と、有効とされなかった判例の両方があります(p.45)。

エアコンの内部洗浄代は借主負担ですか?

喫煙等による臭い等が付着していない限り、貸主負担とすることが妥当とされています(別表1、p.21)。

このページの出典

  • 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」平成23年8月、全文PDF mlit.go.jp/common/001016469.pdf(確認日 2026年10月31日)
  • 国土交通省住宅局「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』に関する参考資料」令和5年3月 mlit.go.jp/…/001611293.pdf(確認日 2026年10月31日)
  • 国土交通省「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』について」ガイドラインの案内ページ(確認日 2026年10月31日)

このページの条項とページ番号は、2026年11月1日にガイドライン全文PDFと参考資料PDFの原文で確認しました。ページ番号は冊子に印刷された番号です。